色々な食品の脂肪酸組成
色々な食品の脂肪酸組成を、カテゴリ別に表なりグラフにしてみました。
下手な植物性油脂よりも、動物性油脂のほうがヘルシーであることがわかると思いますので、是非ご一読下さい。
記事末尾では、実際にKom者のとある1日の脂肪酸組成を計算してみました。
◆初めに:30秒でわかる脂肪酸特性
・種類(ざっくり)
飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸もこのカテゴリに入る) [非必須]
一価不飽和脂肪酸(ω9とも言う) [非必須]
ω6多価不飽和脂肪酸 [必須]
ω3多価不飽和脂肪酸 [必須]
・酸化のされやすさ
ω3 > ω6 > ω9 >>>>>(越えられない壁)>>>>> 飽和
・加熱調理の適正
飽和 >>>>>(越えられない壁)>>>>> ω9 > ω6 > ω3
・吸収/代謝のスピード
中鎖脂肪酸 >>>>>(越えられない壁)>>>>> それ以外
・摂取量
ω3とω9:たくさん摂った方が良い
ω6:減らしたほうが良い (0だとダメ)
飽和(中鎖以外):程よく摂る
飽和(中鎖):Yeeeeeeeah!! Fat Baaaaaaaarn!!
・ω3/ω6比
1:1~1:4 くらいが望ましい。
※現代人の多くは 1:21 くらいと言われている。
・ヤバいもの
トランス脂肪酸
過酸化脂質(酸化した油)
◆卵・肉類
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
卵 | 60g | 34.62% | 45.01% | 18.13% | 2.04% |
牛バラ肉 | 100g | 44.04% | 54.17% | 1.15% | 0.67% |
豚バラ肉 | 100g | 40.70% | 46.64% | 12.16% | 0.53% |
鶏もも肉 | 100g | 33.81% | 51.97% | 13.60% | 0.71% |
ラム肉 | 100g | 45.99% | 43.98% | 4.49% | 1.61% |
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が大部分を占めており、ω6は高くない、または非常に低い比率になっています。
牛でも豚でも鶏でもそして卵でも、実は約50%が一価不飽和脂肪酸です。動物性油脂=飽和脂肪酸のカタマリ…みたいな先入観がありますが、実はそうでもないのです。
まぁそもそも飽和脂肪酸=心血管疾患ではないですし、脳卒中リスクに至っては逆相関になりますし。※byランセットの論文
◆魚類
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
鯖(真鯖) | 96g | 37.31% | 41.09% | 3.54% | 17.36% |
鯖(大西洋サバ) | 104g | 20.17% | 48.18% | 3.20% | 27.56% |
鮭(紅鮭) | 80g | 22.65% | 48.78% | 3.14% | 25.78% |
秋刀魚 | 69g | 21.99% | 54.22% | 2.79% | 20.56% |
鰯(真イワシ) | 80g | 36.72% | 26.79% | 4.07% | 30.26% |
まぐろ(中トロ) | 100g | 26.09% | 45.03% | 2.65% | 25.65% |
カツオ君 | 100g | 32.12% | 28.48% | 4.93% | 33.62% |
イクラちゃん | 60g | 21.55% | 34.03% | 2.38% | 41.90% |
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、そして豊富なω3不飽和脂肪酸で構成されています。
いずれの種類でも、ω6は非常に低い比率になっています。
日本人よ!もっと魚を食え!
魚!魚!青魚だ!サバ!サンマ!イワシ!オメガ3!オメガ3!オメガ3!
……えっ?カツオ君とイクラちゃんが最強?
マジで!!?
◆Avocado&ナッツ類
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
アボカド | 140g | 19.77% | 66.71% | 12.51% | 0.79% |
アーモンド | 30g | 7.95% | 67.67% | 24.37% | 0.00% |
クルミ | 30g | 10.19% | 15.23% | 61.33% | 13.30% |
ピーナッツ | 30g | 18.59% | 50.78% | 30.48% | 0.15% |
ピスタチオ | 30g | 11.53% | 57.82% | 30.34% | 0.37% |
ピーカン | 30g | 10.76% | 54.26% | 33.53% | 1.45% |
マカダミア | 30g | 17.02% | 80.85% | 2.00% | 0.14% |
ヘーゼルナッツ | 30g | 9.36% | 82.60% | 7.90% | 0.10% |
ブラジルナッツ | 30g | 23.99% | 31.93% | 43.98% | 0.10% |
カシューナッツ | 30g | 21.76% | 60.55% | 17.47% | 0.15% |
一部を除き、大部分が一価不飽和脂肪酸で構成されています。
マカダミアナッツとヘーゼルナッツが最強。(ただし日本では手に入りにくい)
手に入りやすさを考慮すると、アボカド&アーモンドあたりがお勧めです。
クルミはω6が多く、またω3を含んでいるため酸化されやすく、取り扱いが難しいのがウィークポイント。もし食べるなら生のものを新鮮なうちに食べましょう。
日本で手に入る安価なピーナッツはだいたい中国産なので、買う時は裏面に注意して下さい。
カシューナッツは糖質がそこそこ多いので、もし食べるなら少しだけにしましょう。
◆大豆系
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
枝豆 | 100g | 15.30% | 34.24% | 40.98% | 9.47% |
木綿豆腐 | 300g | 20.11% | 22.83% | 50.00% | 7.34% |
高野豆腐 | 16g | 19.96% | 22.75% | 50.00% | 7.30% |
油揚げ | 30g | 20.11% | 22.73% | 49.95% | 7.21% |
厚揚げ | 200g | 20.08% | 22.77% | 49.95% | 7.20% |
納豆 | 50g | 16.86% | 21.64% | 53.08% | 8.43% |
20%の飽和脂肪酸、22%の一価不飽和脂肪酸、そしてω6不飽和脂肪酸が50%を占めています。
そうなんです。実は大豆の油ってあまり良くない油なのです。
とはいえ、枝豆にはアルコール分解作用があったり、納豆には乳酸菌がたっぷり含まれていたり、高野豆腐や油揚げは煮込むと美味しいし………。
まぁ適度に食べれば良いのです。
◆乳製品・動物油脂
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
生クリーム | 100cc | 70.23% | 26.26% | 2.97% | 0.53% |
チェダーチーズ | 50g | 65.77% | 29.17% | 1.73% | 0.83% |
カマンベールチーズ | 50g | 69.92% | 26.88% | 2.54% | 0.75% |
バター | 30g | 71.52% | 25.46% | 2.65% | 0.38% |
ギー | 100g | 62.21% | 25.15% | 2.26% | 1.45% |
ラード(豚脂) | 30g | 42.41% | 47.01% | 10.11% | 0.50% |
ヘット(牛脂) | 30g | 45.80% | 50.19% | 3.83% | 0.19% |
マヨネーズ | 30g | 9.62% | 51.22% | 33.13% | 5.98% |
大部分が飽和脂肪酸を占めており、次いで一価不飽和脂肪酸が多く、ω6不飽和脂肪酸は非常に低い割合となっています。
バターもギーもクリームもチーズも原料同じなので、似通った組成になっています。
ラードは豚肉と、ヘットは牛肉とほぼ似通った組成になっています。(当然ですが)
マヨネーズは卵とお酢と植物油から作られているので、動物性油脂と植物性油脂の特性を足して2で割ったような組成になっています。
つまり、マヨネーズちゃんはハーフエルフって事ですね!(えぇ…
◆植物油脂
品目 | 単位 | 飽和 | 一価不飽和 | ω6不飽和 | ω3不飽和 |
サラダ油 | 30cc | 11.79% | 44.19% | 36.70% | 7.31% |
大豆油 | 30cc | 16.03% | 23.86% | 53.54% | 6.58% |
こめ油(米ぬか油) | 30cc | 20.46% | 43.32% | 34.94% | 1.27% |
ひまわり油 | 30cc | 10.72% | 28.59% | 60.06% | 0.45% |
ごま油 | 30cc | 16.02% | 40.07% | 43.55% | 0.32% |
ココナッツオイル | 30cc | 91.20% | 7.17% | 1.67% | 0.00% |
オリーブオイル | 30cc | 14.06% | 78.29% | 7.01% | 0.63% |
アマニ油 | 14g | 7.14% | 21.43% | 14.29% | 57.14% |
エゴマ油 | - | 8.61% | 17.04% | 13.15% | 61.87% |
モノによって大きく異なっています。
「サラダ油を食べたら病気になる」というわけでは無いけど、日常的に使うものだからこそ、良い品質のものを選んでおきたいですね。
油脂類の用途はだいたい調理用なので、加熱耐性の強いココナッツオイルやオリーブオイル、あるいはバターなどの動物性油脂を使うのがベストです。
豊富なω3を含有しているアマニ油&エゴマ油は、とてつもなく酸化に弱いので、生食で、かつ開封後は早めに使い切りましょう。
一時期、「こめ油はヘルシー!」っていう宣伝文句が飛び交っていましたが、何を以ってヘルシーと謳っていたのでしょうかね?単なる宣伝文句だったのでしょうか。
酸化にクソ弱いω3を揚げ物油に使って、「オメガ3の油で揚げているからヘルシーです!」と広告をぶら下げている店もありましたね。
きっと自分たちが何をしているのか、よく分かっていないのでしょう。
※健康増進に有益なω3であっても、酸化してしまったら全て有害な過酸化脂質に成り果てます。
◆おまけ:Kom者のとある1日の場合
30%が中鎖以外の飽和脂肪酸。
31%が中鎖脂肪酸。
26%が一価不飽和脂肪酸。
6%がω6不飽和脂肪酸。
5%がω3不飽和脂肪酸。
・日によって差はあります
アボカドやアーモンド、肉類や大豆製品を食べることもあります。
オリーブオイルの使用量はもう少し多い時もあります。
・心掛けてる事
①ω6は少なく、ω3を多く摂るようにする。
②中鎖脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を多く摂るようにする。
③魚を調理するときは長時間加熱を避け、脂質が酸化しないよう配慮する。
そういえば、何で円グラフが反時計回りなんだって?
ええと、ヨーロッパでの円グラフの項目順は、反時計回りが一般的らしいですよ?
※OpenOfficeCalcの仕様なんです…(´・ω:;.:...