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理想の身体はキッチンで作る。

「まずい給食大量食べ残し」事例を考えてみる



神奈川県の某中学校で、多数の生徒が給食を食べ残す事態が発生。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170915-00000108-nnn-soci
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20170915-00000058-ann-soci

ニュースで話題が上がっていたので、現状の問題点のまとめと、「私ならどうするか?」という思考実験をしてみたよ。

◆現状分析
・高い残食率
ごはんやおかずを残している生徒も多く、給食を食べきらず、早々に片付けを始めてしまう子どももいた。空になった器もあるが、中にはほぼ手つかずのものも。
「残食率」は、平均で26%。全国平均の6.9%と比べても突出して高い数字。
最も高かったのは、「てりやきハンバーグ」が提供された5月末。この日は55%にまでのぼったという。
今年、PTA関係者によって撮影された国府中学校の1クラス分が食べ残した給食の写真では、36食のうち、きれいに平らげているのは、たったの3食だった。

・形態
食材発注と献立作りは、町職員の栄養士が担当。
町は年間約3300万円で綾瀬市の業者に調理と配送を委託

・品質
献立は栄養バランスやカロリーなどに配慮して作られていたが、当初から「味が薄い」「見た目が悪い」「おかずが冷たい」などと不評だった。
子供たちの健康のために給食に「食育」を導入し、塩分などを抑えたメニューにしたためだという。また、給食が冷たい理由については、衛生上の理由から19℃以下で運搬しているためだという。
冷たくなっているため、肉の脂は白く固まり、シチューはドロドロ状態
生徒からは「味や見た目が悪い」という“致命的な欠陥”を指摘する声が相次ぐ。
虫や髪の毛、ビニール片などの異物が計約100回見つかっていたことが町の調査でわかった。

・実際の食事(番組動画のキャプチャ)




白米、ハンバーグ・人参・デミグラスソース(?)、はるさめ(?)の和え物、オクラと高野豆腐?、牛乳

白米、豚肉(?)いんげんと高野豆腐(?)の煮物、ほうれん草&コーン&ビーフン?、きんぴらごぼう、牛乳

白米、ハンバーグ、じゃがいも、もやし、キャベツと人参の和え物(?)、牛乳

白米、いわし団子のカレー風煮、大豆とこんにゃくの煮物、じゃことほうれん草?、牛乳

・ステークホルダの意見
生徒ら:
「実際おいしいとは言えないですね。冷めていたり、味のバランスがだめだったり」「中学生が好むような味付けにしてほしいと思います」

大磯町教育委員会・仲手川教育部長:
「今『食育』の必要性がさぐられていて、体に大事な栄養素をバランス良くとることがどういうことかというのを、給食を通じて身につけていただく

給食を作っている業者:
「食べ残しが多いことは、大変残念に思っている。教育委員会と協力して、残食率が減るように改善していきたい

町:
「今後、温かい汁物の導入や、弁当を持参できる選択制なども視野に入れて、検討する」



◆問題点に対するツッコミ
じゃあ個別にツッコミ入れていくよ~(*'ω'*)

・圧倒的な必須栄養素不足
写真を見ただけで分かりますが、糖質過多で圧倒的に蛋白質・脂質が足りません
三大栄養素のうち、蛋白質&脂質は身体やホルモンを作る材料となりますので、成長期の子供たちにとって必要不可欠です。
蛋白質はもちろんのこと、特に脂質は、性ホルモンの材料となりますので、思春期の時期に不足すると致命的な発育障害をもたらします。
なお、糖質は必須栄養素ではないので、無くても授業や部活や身体の成長には支障ありません。まぁ部活をやってる男の子なら、あってもいいかも知れないケド。

・知識不足の生活習慣病対策
おそらくPFC:20%/20%/60%で総カロリーを抑えた食事になっていると思われますが、この食事を継続しても、生活習慣病は減るどころかむしろ増える事が国内の追跡率99%のコホート研究でも明らかになっています。(久山町の悲劇)
(そもそもPFC:20%/20%/60%に医学的根拠はありません)
また、蛋白質を増やしても健常者が腎障害に至ることは無く、脂質を増やしても肥満や糖尿病・高脂血症になることはありません。
高血圧対策として減塩にしているのでしょうが、ただ単に減塩調理をすると、美味しくなくなります。
献立設計している栄養士さんはもうちょっと勉強して欲しいものです。

・楽しくない食事は栄養不良を生む
中学生の男子女子諸君にとって、とても味気無く・見た目も悪く・魅力の無い食事だと思います。
このような食事を続けていくと、「食事=苦痛」の図式が刷り込まれてしまい、「食事が嫌い」になり、生涯に渡り栄養不良や摂食障害を引き起こします。
これは家庭でも同じであり、「無理やり野菜を食べさせられた結果、野菜が大嫌いになった」という事例も多数見てきました。
「給食が不味くて食べられない」→「代わりに美味しいお菓子を食べる」→「糖質依存症」というコンボもありますね。

・「おかずが冷たい」
サラダやマリネなどの冷製料理を除き、冷たい料理は得てして不味いものです。
雑菌の繁殖を防ぐためと言いつつ、食べる人の事を一切考慮していないのですね。
不味いものを我慢して食べさせる行為を「食育」とは言いません。
っていうか、お腹を空かせた育ち盛りの子供たちが半分以上残すって相当ヤバいぞ。

・利益第一主義?
コスト削減のため、品質が犠牲になっている点が多く見受けられます。
簡単に外注で済ませる気だったのかな?

・計100回の異物混入
論外です。



◆私ならどうするか?
・低糖質・高蛋白・高脂質食
①白米偏重を無くす(量を減らす・または選択制)
②動物性蛋白質&乳製品&良質な脂質源を大幅に増やす
③PCF比率の改善と総カロリーアップ
具体的には、肉・魚・卵・チーズなどの良質な動物性蛋白質を持つ食材を多く盛り込みます。特に卵は低コストで栄養満点なので、ガンガン使っていきます。
バター・生クリーム・ナッツ類・アボカド・オリーブオイル、可能であればココナッツオイルなども使い、良質な脂質源を得ます。
逆に、明確な健康被害を生む粗悪な植物油脂(マーガリンやサラダ油など)は極力排除します。
低糖質&高脂質食にすることで血糖値が安定し、午後の授業の集中力が持続し、腹持ちも良くなります。ついでに肥満リスクも下がりますので、体型を気にする思春期の女子諸君にも最適なソリューションです。

・減塩せず
①低糖質食に変更することで低インスリン状態が保たれ、腎臓でのナトリウムイオンの再吸収が抑制→排泄されます。
②米飯を減らすor無くすことにより、そもそも塩辛いおかずを作る必要が無い
③中学生は登下校や体育、または部活で発汗する機会が多い
①と②により、低糖質食にすると、2重の意味で、減塩せずとも減塩効果が得られます。
③はそもそも減塩が不要である理由です。
塩と脂質の制限が無くなれば、レシピのレパートリーは格段に増え、味も抜群に良くなります。

・温かい食事の提供
配送方式の変更、または提供前に温めるなど、美味しく食べられる状態を作ります。
自校調理を行っている学校もあるそうなので、それが出来れば理想ですね。
予算?
「食育」に力を入れてるんでしょ?そのくらい用立てて下さい^^

・教育機会の取り入れ
なぜこのような食事である必要があるのか?
なぜこのような食事で生活習慣病にならないのか?
米飯を食べないと健康に悪いのではないか?云々…。
それら全てを教育題材にします。
「給食」はただ生徒たちの腹を満たすためだけの時間ではありません。

余談ですが、献立にラム肉とか取り入れても面白いと思います。
男子だったら「ヒャッハー!骨付き肉だー!豪快に食うぜ~!」と言って喜びそうである。
女子だったら「じゃあナイフとフォークを使って上品に食べてみましょうか」と教育題材になります。
まぁ独特の臭いがあるので、中学生が好むかどうかは微妙な所ですが。

羊は、その独特の臭いを何とかするために、様々なハーブやスパイスを使ったり、リンゴジュースやトマトソースで煮込んだりという調理法が多いです。
イギリスは野菜や伝統料理は少ないがローストビーフとティータイムは異様に発達していたり、実は「チーズ」はメソポタミア文明より古い起源を持っていたりなど、食材や調理法ってのは、文化や歴史を紐解くと意外と面白い事がわかります。

「食事=お米を食べるもの」という固定観念が、健康被害だけでなく、様々な教育の機会を損失していると思います。



◆給食を残すのは贅沢?
「食べれない事は無い」
「我慢して食べろ、健康のためだ」
「ワシらの若い頃はコッペパンと牛乳だけで…」

あっそう、ふーん。

「食べるものが無かった時代」「飽食の中で正しい食事を選ぶ時代」では前提条件がそもそも違います。
冷たく、味も栄養も乏しく、生ゴミ同然の食事を残す事を「贅沢だ!」と一言で切り捨てるのであれば、私は「黙れ老害」と一言で切り捨てます。
「清貧・質素・我慢」を美徳とする悪しき日本人の習慣は、問題解決を先送りにした思考停止と同じです。

昨日より今日、今日より明日。子供たちにより良い選択肢を与えてあげたいと願い、夢と希望と使命感を持って問題解決をしていく。
それが大人の仕事であり、そういう大人たちに子供は憧れるのではないでしょうか?
少なくとも、私が尊敬する大人の人は、そういう人たちですが。

多くの人は、「不味くて健康的なものを我慢して食べるより、少しくらい不健康でも美味しいものが食べたい」と思っています。
子供の頃に「不味くて健康的なもの」を押し付けていると、カップ麺と菓子パンを常食する大人に育ちます。

本当に食育というものを考えているならば、「医学的根拠の無い冷たく不味い食事」ではなく「医学的根拠のある温かく美味しい食事」が、「給食」の方針として最適であると思います。



以上です。

私は学校関係者として仕事をしている身ではないので、あくまでも思考実験止まりですが…。もし何かの機会に現場に携わる事があったら、その時はより多くの状況分析・改善提案ができそうですね。

まぁ、お偉いさんが聞く耳を持てばのハナシですが( ^ω^ )

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