理想の身体はキッチンで作る。

相談事例:17 糖質を摂らないと身体がキツイです

KOMZAP オープンチャット内にて:
「糖質を摂らないと身体がキツイです」(意訳)



私の回答:
さて、情報が少ないのである程度推測で答えないといけないのですが…

そもそも必須栄養素でないにも関わらず、「糖質を摂りたい」「糖質を摂らないと身体がキツイ」という状態になっているという状態が厄介なことですね。
長鎖脂肪酸代謝異常症などの特定の病気でもない限り、人間は糖質を1gとも口にしなくても日々健康に活動することができます。

では何故糖質を異常に欲する事態が発生するのか?

最も可能性として高いのは、「鉄タンパク質不足」です。
先の動画で私が話している通り、脂肪を燃やしてエネルギーを取り出すには多くのビタミン・ミネラルが必要なのですが、日本人は深刻な鉄不足状態にありますので、いつまでも糖質依存が抜けない人、糖質制限で失敗する人はだいたい鉄不足が治ってなかった…というケースが多いです。
(フェリチンが50近くあっても、実は炎症があって鉄不足がマスキングされていたというケースもあります)

つまり、鉄タンパク質不足患者に対しては、ミトコンドリア代謝が正常化するまでの・一時的に・限定的な・緊急避難的意味で・糖質摂取を許可する方針になります。
この意味を理解しないまま漫然と糖質摂取を増やしていくと、十中八九、「糖質を増やしたら体調が良くなった!やっぱり糖質制限はインチキだ!これからは糖質選択の時代だ!」と痛い勘違いをするアンチと化すのでご注意下さい。

なぜならば、「糖質を摂りたい」「糖質を摂らないと身体がキツイ」という状態は「糖質を摂ること」によっては根本解決しないからです。

従いまして、ご質問に対する私なりの回答は…
「糖質量は、体調が良いと感じられる量まで増やしてもよい」
「ただし、鉄・タンパク質ファーストで食事をすること」
「BUN、アルブミン、フェリチン等を2~3ヶ月おきに測定し、数値と糖質欲求のモニタリングを行うと良い」
という感じになります。


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解説:
……ってな感じで、質問する方は気楽に1行送り付けるだけなのだが、回答する方は数十倍の時間をかけて回答文を用意しないといけないっていう。

しかも身長・体重・性別・生活習慣・摂っている食事やサプリ・既往歴等を全く聞いていないので、そのへんも推測になってしまう。
もはや回答というよりも思考実験に近いレベルになっちゃうぞ。



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